健康に配慮して、このごろは外でラーメンなど滅多に食べません。野菜をたっぷり入れた即席麺を、たまに自分で作って食べることがある程度です。
夕方のグルメ番組「裸の少年」(テレビ朝日)で、「東京ラーメンランキングベスト30」というのをやっておりました。行列が出来るような美味しいラーメンを、テレビで見て、食べたつもりにしておきました。
これまで放映したものをまとめた、年末によくある総集編です。「ラーメンの鬼」佐野実さんと、料理研究家の土井善晴さんが一緒に店を回って、評価するという趣向です。佐野さんの強面ぶりも面白いし、土井さんの飄々とした料理のプロぶりも気に入っています。土井さんは内心、ラーメンなんか馬鹿にしているのですが、ほんわりとした関西弁でくるんで隠しているところがまた、面白いのです。
最近のラーメンは、大きな海苔で飾り立てたり、二つに切った半熟卵でいろどりをつけたりして、見るからにおいしそうですね。ラーメン好きの主に若い人達が列をなし、カウンターでは真剣な顔で、麺をすすっています。卓上の器に顔を近づけ、眉間にしわを寄せ、音をたてて熱々の麺やスープをすする…。日本以外では、動物並みとされる最悪のマナーですが、これが許される日本て、不思議かつ幸せな国であります。
番組で「1位」になったのは、「
中華そば屋 伊藤」(北区豊島4-5-3)。具は刻んだネギがちょんとのっているだけ。敢えて麺とスープだけで勝負しているという、究極と言うか禁欲的なラーメンです。しゃとーからは遠いし、おまけに最寄駅からも遠いらしいので、行けるかどうか分かりませんが、いつか行ってみたい。
それと個人的に気になるのは、「
そばはうす 不如帰」(渋谷区幡ヶ谷2-47-12)。ハマグリで出汁をとっているのです。ハマグリを使うと原価的にはきついそうです。それから、「
多賀野」(品川区中延2-15-10)。女将さんが作る丁寧で素朴な味がよさそうです。ここならしゃとーからも行き易そうだし。この店は、番組では普通の中華そばが紹介されていましたが、むしろつけ麺に力を入れているのかな?
つけ麺の店として番組で紹介されていたのは、30店中5店。なかなかの隆盛ですね。つけ麺はあまり食べたことがありません。最近はつけ麺ファンの人も多いようです。しかし、つけ麺を食べる人って、つけダレを麺にドバッとかけて食べたいという、衝動にかられたりしないのでしょうか。いいちいち、タレにつけて食べていると面倒くさいのでは…。汁かけご飯というのも、本来行儀の悪い食べ方ではありますが、あれにはあれの醍醐味というものがあります。
思い出すのが熱海にある「
スコット」という洋食の老舗。もうかれこれ20年近く行っていません。この店のとろけるようなビーフシチューやタンシチューを、丼メシにぶっかけたら美味しかろうなあ、と思いつつ、普通に食べたものです。そんなことをしたら店の人に怒られるのではないかと、ライスを丼に入れてくれとは言い出せず、現在に至っています。