1本のワインは、いくつもの品種のブドウで作られているのが普通です。もちろんブルゴーニュのように、伝統的に単一品種でつくるところもあれば、新興産地でも単一品種であることを明示し、アピールしているものも最近は増えています。が、複数の品種で作られたワインのほうが圧倒的に多いはずです。
ラベルに品種比率を表示する義務はないですが、本や雑誌、販売店のホームページなどで公表されています。ボルドーなら、カベルネ・ソーヴィニオン何%、メルロー何%、カベルネ・フラン何%、なんて具合に。その配合がワインの特徴を生み、楽しみを広げてくれるのです。
ワインだろうが肉だろうが、基本的にウソはいけませんよねえ。うそつきは政治家の、いや泥棒の始まりと申しまして、道徳、倫理の基本中の基本ですわな。牛ミンチに豚を入れたのなら、そう言えと。
今回の「ミートホープ」のやり口は、手が込んでますなあ。豚の精肉だけでなく内臓、豚以外の肉、牛の血・・・。よく工夫(?)したものです。そこまでやるのだったら、その絶妙の配合を公表すれば、かえって人気が出るかもしれなかったのに。「ミンチの達人の魔法のレシピ」とかなんとかいって、宣伝すれば良かったのですよ、いっそ。登別のヒグマの肉でも入れれば、道外の人には面白がられて、もっと売れたかもしれない。
そもそも、ハンバーグを作るときなんか、わざわざ豚を混ぜて食感や味を向上させることは普通でしょ。もともと牛100%にこだわる必要なんてなかったのですよ。惜しいなあ。もっとも、一方でそういう需要が高かったことも問題なのでしょうけれど。
しかし、ミンチばかりか輸入の鶏も北海道産と偽り、おまけに水をパックに入れて重さをゴマかしていたというのには、呆れました。でも、これも「サンバで鍛えたブラジル地鶏に、苫小牧の名水を加えて日本に馴染ませ、冷凍庫で熟成させました」とかなんとか称して売れば、ヒット商品になったかもしれないのに…。これは無理がありますか。