通販で買ったメルシャンの「甲州グリ・ド・グリ 2004」が届きました。
グリ・ド・グリ!。懐かしい名前です。あれは、かれこれ20年以上も前。「東京ワインアカデミー」のセミナーにたまたま参加した時のことです。今でこそワイン会の類は若い女性でにぎわっていますが、当時は参加者のほとんどが男性。しかも、サントリーなどメーカーや酒販会社の人たちが主流で、私のような素人は少数でした。
その日の資料が見つからないこともあり、よく思い出せないのですが、リースリングがいくつか出てきたような気がするので、アルザス特集だったのかもしれません。そのときに出された一つがグリ・ド・グリでした。
「
グリ」はワインの色分けの一つです。白、赤、ロゼのほかにグリというのがあります。黒系のブドウからつくった白ワインです。ロゼと白の中間という位置づけになりますが、うすいピンクというよりは、色の濃い白という感じです。GRIS=灰色、というのは当を得ているかもしれません。
その時に出されたワインは、アルザスの代表品種の一つ、ピノ・グリからつくったグリであることことを強調して「グリ・ド・グリ」とうたっているのでしょう。シャルドネのみからつくったシャンパーニュ、ブラン・ド・ブランの向こうを張ったネーミングでしょうか。
以来、思い出すたびに店頭でグリ・ド・グリを探してみました。しかし、ついに出合えませんでした。そもそもグリというワインは、もうあまりつくられておらず、今ではほとんどアルザスのコート・ド・トゥール(Cotes de Toul)においてだけのようです。
メルシャンの甲州グリ・ド・グリは、当然ピノ・グリではなく甲州種からつくられています。「白ワイン」という言葉が持つ、黄色や黄緑色がかったきれいな色という呪縛を断ち、甲州種の持ち味をより引き出すために「グリ」を名乗ったのだそうです。
(→シャトーメルシャン歳時記) 懐かしい名前に釣られてつい注文してしまいました。