深夜にNHKのBS2でやっていた「不知火検校」を見ました。なんと白黒映画だったのですね。1960年の作品なので、そんなもんでしたか。(「めくら」という言葉が出てくるセリフだけ、音声がカットされていて、かえって気になってしましました)
悪知恵に長けた座頭が、悪事を重ねて出世し検校にまで上り詰める。しかし悪事がばれて転落…。型破りな主人公像が痛快でもあります。「やがて悲しき」でもあるのですが。
この作品は、「座頭市の勝新太郎」の出発点である一方、針師→藤枝梅安→必殺仕掛人という連なりの原点でもあります。原作は劇作家の宇野信夫。
昔、映画館で見たというわけではありません。子供の見る映画じゃありませんから。むしろ、69年に大阪の朝日放送が制作した連続テレビ時代劇「悪一代」のほうが印象に残っています。不知火検校をテレビ用にリメイクしたものです。
悪一代では、伊丹十三が共演していました。勝新太郎の演じる座頭の身の回りの世話をする、少し知恵遅れの青年の役でした。不知火検校でも同じ設定の人物がいるのですが、ほとんど目立たない存在です。方や悪一代では、伊丹十三の存在が大きく、勝新との共同生活がコミカルに描かれていて、よく出来た作品だと思いました。
悪一代もまた見てみたい。でも、今となっては無理でしょうね。